AGA治療のエース的存在ともいえるフィナステリドに
お世話になっている人は多いと思います。
プロペシアは病院での処方・健康保険適用外ということもあり敷居が少々高いですが
インドのジェネリック版の普及率も上がりどんどん身近な存在になってきています。
でも薬であることからリスクが少ないといわれながらも
副作用はいろいろと報告されています。
その中で小耳にはさんだのが体毛に関してです。
プロペシアやフィンペシアなどのフィナステリド錠を飲むと体毛が濃くなる、
もしくは薄くなる可能性はありますか?と心配する方が地味に多くいらっしゃいます。
今のところそのような副作用は報告されていませんが
なぜそう思われるようになっているのか。
それはメカニズムが関係していると思います。
フィナステリドは毛乳頭細胞内に存在する
還元酵素の一種・5αリダクターゼのII型を阻害する効能がある薬剤です。
それにより毛母細胞の活動を停止させてしまう
タンパク質の一種(TGF-β1)を生み出すジヒドロテストステロンの産生量を減少させます。
つまり髪が薄くなる根本原因をつくことができ間接的に育毛を促進するというわけです。
内服薬だと効果が全身に広がる可能性があるので
頭髪だけではなく体毛にもそれが影響して濃くなるのでは?
と言われるようになったのかもしれません。
しかし、フィナステリドが抑制する5αリダクターゼ2型という酵素は
体のごく限られた部分にのみ存在するものです。
前頭部・頭頂部をはじめ髭(ヒゲ)が生える部分
脇・陰毛部・玉袋の皮膚・前立腺と限定的です。
そしてAGAが発症するのは頭部のみなので
仮に全身に薬効が働いたとしても体毛が濃くなる可能性は低いです。
むしろ可能性があるとしたら薄くなるほうだと思われます。
そもそもDHTはテストステロンより男性ホルモンの受容体と
結びつきやすくするために存在するものなので
頭部以外に2型5αリダクターゼがある箇所の
体毛の成長に影響するのではないか、とも考えられます。
ただ今のところ体毛が薄くなったという研究報告はなく
ありえたとしても影響はかなり小さいと思われるので
どちらにしろ気にすることではありません。