AGA(男性型脱毛症)は、
男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)が
アンドロゲン受容体(男性ホルモンレセプター)と
結合することで症状が出始めます。
AGAはアンドロゲン受容体と
DHTの感受性が高いほど発症しやすいのですが
その感受性は遺伝により差異があることがわかっています。
DHTと受容体が結合すると、
それが標的遺伝子とくっつき症状を発言させますが、
受容体を隠すように3次元構造の特殊なDNA配列があります。
その遺伝子はアンドロゲンレセプター(AR)遺伝子といい、
毛乳頭細胞のX染色体に存在しています。
AR遺伝子のエクソン1領域という場所には
シトシン、アデニン、グアニンという
DNAを構成する塩基が規則正しく繰り返して並んでいます。
そのことからそれぞれの頭文字をとって
CAGリピートと呼ばれます。
その繰り返し数によって男性ホルモンの感受性が
高いか低いかを判別することができます。
CAGリピートは8回前後~35回前後繰り返してるとされ、
25,6回あたりが基準値となります。
基準値より少ないと感受性が高く、
逆に基準値より大きいと感受性が低いことになる。
つまり感受性が高い程AGAになりやすいのです。
しかし、逆にフィナステリド(プロペシアの成分)が
すごく効果的なので服用し続けると
感受性が低い人ほど劇的に治る可能性があります。
よってやっかいになるのは感受性が低い
(CAGリピート数が多い)にも関わらず
AGAを発症している人の場合です。
それほど男性ホルモン(DHT)の量が多いことが予想され、
フィナステリドを処方しても劇的に回復しにくいと考えられています。
また、GGCリピートという繰り返し配列も存在し、
CAGリピート数と合計することで
若年期にAGAになりやすいかも判定することができます。
その二つの合計の基準値は38前後で、
それより低いと早い時期にAGAになる
リスクが高いということになる。
(フィナステリドの効果の違いも
CAGリピート数だけの判定の法則と同じで、
43を超えると特に聞きにくくなるといわれる)
自分がAGAなのかよくわからないときや
自分はどの程度リスクが高いのか知りたいときは
とても有効な検査だといえます。
自分の塩基配列リピート数を知りたい場合は
専門病院や専門外来がある病院を受診するか、
AGA遺伝子検査キットで検査すればわかります。
ちなみにリピート数は生涯変わることはないので
検査は一生で1回だけでOKです。