コラーゲンは人体に存在するタンパク質の3割も占める非常に重要な成分で
真皮や靭帯、骨などを構成する役割があります。
今回注目したいのはコラーゲンに含まれるヒドロキシプロリンという成分です。
それはアミノ酸の一種でありながら主要とされる20種類には含まれていないのですが
ものすごく重要な働きがあることがわかってきました。
表皮細胞の増殖を促進したり、コラーゲンを生成したり、
角質層の保湿を担ったりと皮膚にとってすごく大事な成分です。
ご存知の方は多いと思いますが
髪の毛は皮膚の細胞が変化したものですので皮膚の仲間ともいえます。
頭皮に弾力がなく硬くなってしまったら
血行が悪くなって育つものも育たなくなってしまいますし、
水分が減れば皮膚の抵抗力も落ちるので
外敵の攻撃を受けやすい状態になってしまいます。
つまり髪の健康を考える上で皮膚(頭皮)の健康は切っても切れない関係にあるのです。
コラーゲンは認知度が高いだけにマニアが多く
研究される機会も多い賛否両論が激しい成分のひとつです。
コラーゲンの代表的な否定意見に
摂取しても胃や腸でアミノ酸に分解されるから
こだわって摂っても意味がないというものがあります。
しかし近年の研究でコラーゲンを摂ったほうが
コラーゲンを生合成しやすいことがわかってきたので
その意見は間違いである可能性が高くなってきました。
ヒドロキシプロリンはコラーゲンやエラスチンなど
極限られたタンパク質の中にしか存在してないことから
コラーゲンの生成の中心を担っているかもしれませんね。
そして注目は京都府立大学の研究結果です。
ヒドロキシプロリンの血中濃度が高くなると抜け毛が減ると発表したのです。
具体的なメカニズムはまだ明らかになっていませんが、
これは十分にありえることだと思います。
ヒドロキシプロリンは線維芽細胞の機能を回復させたり
増殖を促す効果があるとわかっています。
線維芽細胞(せんいがさいぼう)とは皮膚や骨・脂肪などの
体を支える結合組織に主に存在する細胞で
それらが傷つくとコラーゲンを生成して修復しようとします。
線維芽細胞の働きが弱まると結合組織の強度が弱まり
髪では栄養が毛母細胞にうまく届かなくなります。
※炎症が髪に悪いといわれる理由はそこからも見えてきます。
線維芽細胞は皮膚では真皮層に存在しますが
炎症により損傷を受けてしまうとコラーゲンの生成がうまくいかなくなってしまいます。
ヒドロキシプロリンはそんな皮膚の異常をサポートし、
ふつうでは抜けてしまう髪を守る働きを担っているのではないか、
そう推測できるのです。