自毛植毛の種類(術式)というのは
基本はどこのクリニックでも共通しています。
ただ独自の名称をつけて展開するところもあり
何が最も優れているのか迷うかもしれません。
表面上は凄そうに見えるのが多いですが
しっかり中身を探っていくと
何が最適かが見えてくると思います。
・自毛植毛の種類とは?
一般的に自毛植毛というと、
FUTとFUEの2種類があると知られています。
すごくざっくり言うと、
頭皮にメスを入れるか入れないか
という2通りの方法があるという感じです。
もう少し専門的な領域に踏み込むと
マイクロ・ミニ植毛、FU株を使う植毛、
FU株とMFU株の複合植毛の3つがあります。
マイクロ・ミニ植毛とは
頭皮を移植部の大きさに合わせて切り取り
それごと移動させるという旧式の方法です。
FU株を使う植毛は毛包単位(1つの毛穴単位)だけを
使用する方法でこれこそがFUTのことを指します。
そしてFU株とMFU株の複合植毛とは
一つの毛包のドナーと複数のFU株のドナーを
一緒に使う方法をいいます。
MFUとはマルチフォリキュラーユニットのことで
2つ以上の毛包を含むドナーを指します。
○○式植毛とかアルファベットだけの
名前のものは主に複合植毛に当たります。
要は小さなドナーも大きなドナーも
混ぜて使うという手法ですね。
・最も理想的な植毛術は何か
結論から言うとFU株を使う植毛、
つまりはFUTとなります。
一見すると複合植毛のほうが
合理的に感じるかもしれませんが
仕上がりを考えると断然FUTだといえます。
なぜなら最も小さな単位である
FU株のみを使うので仕上がりが最も
自然に出来る手法だからです。
対して複合植毛だと
大きなサイズの株も使うことから
仕上がりが雑になる可能性が高くなります。
デジカメで言うと画素数が高いもののほうが
綺麗な写真が取れますよね。
そもそもFUTとは
「1つ」の毛包単位での植毛法というもので、
現在出来うる最高の方法とされています。
施術する医師にとっては技術が必要で
とても繊細な作業が求められますが
患者にとっては最も理想的といえます。
複合植毛は大きなサイズの株を取れるので
技術的にも手間暇的にも助かると思いますが
それは患者にとってではなく
医師にとってのメリットということになります。
・植毛術のメリットはどちら側にあるか
日本の植毛界というのは
全体的に複合植毛が主流となってるようです。
そのほうが手間暇がかからず
合理的なのかもしれませんが
果たしてそれは本当の意味で
患者さんのためになっているのでしょうか。
もちろん複合植毛だったとしても
満足出来る結果を得る人も多いでしょう。
しかしそれは結果論に過ぎないとも思うので
本来ならFUTを始めとした植毛技術全体が
向上していってほしいなと思います。
植毛手術の種類についてのまとめ
自毛植毛にはFUTとFUEの区分けの他に、
マイクロ・ミニ植毛
FU株を使用した植毛(FUT)
FU株・MFU株の両方を使用した複合植毛
という3つの区分け方もある。
最も理想的なのは仕上がりが自然になりやすい
FU株を使用した植毛、すなわちFUT。
最近トレンドチックになっている複合植毛は
仕上がりが不自然になる恐れが高く
主なメリットは医師側にある。
独自名を示している植毛術の多くは
基本的に複合植毛にあたる。