今回も前回の植毛の歴史と同じく
少し視点を変えたお話をしたいと思います。
植毛というと傷跡や仕上がりが
真っ先にピックアップされがちですが
実はカウンセリングがすごく重要!
という話です。
ある意味ではそこで全てが決まると言っても
過言ではないと思います。
・カウンセリングは単なる説明の場ではない
植毛に限らずですが、
何かしらの専門機関に出向いて
サービスや医療行為を受ける場合は
事前にカウンセリングがあると思います。
カウンセリングといったら、
もしかしたらネガティブなイメージのほうが
先行しているかもしれません。
いまや無料で実施してるのが
当たり前になってはいますが、
それを口実に見込み客を集めて
強引に引き込もうとするところが
残念ながら多く存在します。
植毛業界は全体的にどうなってるのか
わかりませんが、中にはゴリゴリの
勧誘をしているクリニックも
存在しているかもしれません。
そこまで行かなくても
単にシステムだけを紹介するような
あたかもマニュアル的な対応を
するところもあるかもしれません。
そもそもカウンセリングとは
そのサービスを受ける人(依頼者)が抱える
悩みや疑問を専門的な知識をもって
相談援助するという意味があります。
植毛においては一般初見や局所所見をし、
その他にもしっかり患者さんの疑問に答え、
医師との信頼関係を結ぶ場となります。
一般所見とは基本的な内容で、
年齢とか薄毛歴とか植毛に対する考え、
体質、病歴をチェックします。
植毛に対する考えとは、
過度な期待をしていないかとか
心理的な面も含まれます。
局所所見は頭髪の状況を見て、
ドナーをどこから取るか、
髪の太さ、色、縮れ具合、
頭皮の硬度などをチェックします。
それによりどのくらいの株が必要か、
どういうデザインで施すかなど
手術の工程が具体的になります。
そして患者にどのくらいの
回復を望むのかなどを聞き、
植毛するか薬物治療にするか、
どちらか一方だけにするかなども
見極めていくという感じになります。
・カウンセリングが重要な理由
このようにカウンセリングは単なる見学や
システムの説明、クリニックの実績などを
聞きに行くことではないんですね。
もちろん勧誘をしてくるのは論外であり、
お金に関することをすぐ聞いてくるところは
かなり警戒したほうがいいと思います。
中には手術も何も決まっていないのに
血液検査を促すところもあるようです。
ポイントは手術を担当する医師が
カウンセリングを行ってくれるか、です。
執刀する本人が患者のことを
一番よくわかっていなければならないのは
当然のことだと思います。
が、実際はそうではないケースが
少なくないようで、中には医師ではない
カウンセラーと称する人が
受け持つところもあるようです。
最近は安いからと海外(韓国や東南アジア)で
受ける人も多くいるようですが、
手術当日に初めて医師と患者が出会う
というのがよくあるそうです。
ちなみにカウンセリングのときに
ビフォーアフター写真を見せられるのは
恒例行事になってると思われますが
それも鵜呑みにしないほうがいいでしょう。
それも宣伝の一種であるため
最もいい出来の症例かもしれないですし、
写真写りがたまたまよかったなども
考えられるからです。
ちゃんとしたところだと
良かった症例だけでなく
平均的な出来栄えの症例も
あわせて見せてくれるようです。
・カウンセリングでクリニックを見極める
カウンセリングは気軽に受けるものではなく
しっかり医師と相談するという
大事な時間というのがわかったと思います。
患者さんは一般的に弱い立場にあります。
知識がないと全てを鵜呑みにする危険性があり、
後悔することにもなりかねません。
ある程度予備知識をつけた上で
カウンセリングを受けることで
避けるべきクリニックがなんとなく
わかってくるかもしれません。
基本中の基本は誠実で親身なことであり、
執刀する医師がカウンセリングしてくれること。
(説明とはいえ医療行為に関係することなので
医師でない人がカウンセリングをするのは
医師法に関係する恐れもあるという声もあります)
そして金銭的な話をすぐ出さず、
質問に親切かつ明確な回答を
してくれるというのが重要になります。
良心的な人はどんな立場でも
相手のことを優先しているので
自然と上記のことはクリアしてるものと思います。
今回の記事は最も参考になる
ヨコ美クリニックの今川賢一郎医師の
よくわかるヘア修復術(現代書林)を参考にしています。