漢方療法の基本ともいえる漢方薬。
漢方と聞くとそれを思い浮かべる方が多いと思います。
今回は髪に良い漢方薬をいろいろ紹介していきます。
でもその全てを使う必要はありません。
なぜなら漢方薬とは個々の体質で使い分けるものであり
全ての人に効果的なものは基本的にないからです。
言い換えると、人によってはとても健康的だが
人によっては効果がなかったり毒にもなったりします。
ということで漢方薬を使う前に
自分がどんな体質なのかちゃんと見極める必要があります。
では体質別に髪にいいとされる漢方薬を紹介します。
熱実タイプ 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) |
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黄芩(おうごん) |
甘草(かんぞう) |
滑石(かっせき) |
桔梗(ききょう) |
荊芥(けいがい) |
柴胡(さいこ) |
山梔子(さんしし)別名:梔子(シシorクチナシ) |
生姜(しょうきょう) |
生芍(しょうしゃく) |
升麻(しょうま) |
石膏(せっこう) |
川芎(せんきゅう) |
蒼朮(そうじゅつ) |
当帰(とうき) |
薄荷(はっか) |
防風(ぼうふう) |
連翹(れんぎょう) |
熱虚タイプ 加味逍遥散(かみしょうようさん) |
甘草(かんぞう) |
柴胡(さいこ) |
山梔子(さんしし) |
生姜(しょうきょう) |
生芍(しょうしゃく) |
升麻(しょうま) |
丹皮(たんぴ) |
当帰(とうき) |
薄荷(はっか) |
白朮(びゃくじゅつ) |
茯苓(ぶくりょう) |
寒実タイプ 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) |
桂枝(けいし) |
柴胡(さいこ) |
生姜(しょうきょう) |
当帰(とうき) |
桃仁(とうにん) |
升麻(しょうま) |
川芎(せんきゅう) |
茯苓(ぶくりょう) |
寒虚タイプ 補中益気湯(ほちゅうえつきとう) |
黄耆(おうぎ) |
甘草(かんぞう) |
柴胡(さいこ) |
生姜(しょうが) |
升麻(しょうま) |
大棗(たいそう) |
陳皮(ちんぴ) |
当帰(とうき) |
人参(にんじん) |
白朮(びゃくじゅつ) |
それぞれの方剤に属する漢方薬は一般的な分類と少し異なっている部分があります。
例えば白朮(びゃくじゅつ)はふつうでは防風通聖散に属する漢方薬と言われてますが
今回の分類は頭髪にフォーカスしたものなので少しだけ違うというわけです。
それぞれの漢方薬は薬局やネットを利用すれば簡単に購入することができます。
メーカー品のエキス剤も売ってますが自分で作ったほうが効果的です。
エキスは500mlほどの水に漢方薬各種を入れ水量が8割くらいになるまで煮ます。
そして使用した漢方薬は1回で捨てるのではなくもう一度使うのがポイント。
それにより1回で溶け出してこない成分も摂取できるようになるからです。
温かいうちから飲んだほうが効果的です。
体質ごとに使い分けないと効果がないばかりか副作用を起こす可能性もあるので、
まずは自分の体質をしっかり調べてください。
ちなみに全ての体質に必要なのが当帰(とうき)・柴胡(さいこ)・升麻(しょうま)です。
髪は血余であるという言葉を聞いたことがあると思いますが
それは血液に余裕がなければ髪が育たないという意味です。
余裕がなければ抜け毛や白髪を誘発したり
髪にばかり気をとられすぎて不健康体になったりします。
それを補血薬の一種である当帰で対策します。
そして頭髪は体の最上部に位置するので
陽気を上に引き上げるようにすると髪が健やかになります。
陽気とは体が活動するために必要なものの総称です。
陽気を上に引き上げるものを漢方では升薬(しょうやく)といい、
柴胡と升麻はその代表例なのです。