自毛植毛について調べていると
嘘と見られてもおかしくない説明を
時折見受けられます。
無用な誤解を招かないよう
今回はいろいろ突っ込んでいこうと思います。
・植毛の説明には嘘が多い!?
自毛植毛は数ある薄毛対策の中で
最適といっても過言ではないすごい技術ですが
かなり専門的な分野でもあるため
わかりにくい部分もあります。
そのためよくよく学ばないと
クリニックの説明が正しいのかどうか
判断しにくいところです。
下手すると嘘をつかれても気づかないで
仕上がりに納得できなかったり
傷跡が大きく残るなどの後悔に繋がります。
植毛とそれ以外の対策との比較では
割りとわかりやすいですが、
同じ自毛植毛同士で比較されても
よくわからないと思います。
育毛剤を使い続けるよりも植毛したほうがいい
というのはわかりやすいと思いますが
FUTとFUEはどちらが優位かなどと言われたら
ちょっとアレですよね・・・
ということで植毛の解説で
割とよく見かけるであろう事柄を
改めて見ていこうと思います。
・ありがちな紛らわしい植毛の解説
・傷が残ることはない?
植毛はドナーを採取する必要があるので
目立たないにしても必ず残ります。
毛穴単位でくり抜くFUEでも同じです。
メスを使わないという表現で
よく宣伝されていますが、
それだけだと傷が残らないかのような
印象を与えかねないと思います。
・大量植毛が可能?
いわゆるメガセッションは一度に大量の
植毛をすることを指します。
これも技術が向上してきたことから
その株数が増えてきています。
一時は1000株レベルでしたが
近年(2010年代)は2500株以上になり
今後もっと増える可能性もあります。
しかし、2500どころか2000も
出来ないにも関わらずメガセッションを
標榜するのは首がかしげます。
ちなみにメガセッションは、
「1度」の手術で行うことを意味するので
複数回で実現することではありません。
最近流行りのダイレクト法(FUE)では
かなり難しいと思われます。
・人工毛植毛の方が優位?
そんなに見かけないかもしれないですが
日本では未だに実施されているので
一応突っ込んでおこうと思います。
人工毛植毛も昔に比べて
技術は上がっていると思われますが
優位性は自毛植毛に遠く及びません。
人工毛は一度切れたり抜けると
やり直す宿命があり、
その域から絶対に抜け出せません。
・高密度で実現可能?
これもなかなか紛らわしいところです。
現在はデンスパッキングといって
かなり高密度に植毛することが可能です。
しかしそれも限界があります。
1平方センチあたり
35FU(毛穴単位の株)と定義されています。
それが出来ないのにデンスパッキングと
謳うのは問題があります。
そして現在の技術的に本来の密度の
50%ちょっとが限界ですが、
それより遥かに多くできるという説明は
注意したほうがいいでしょう。
例えば日本人だと後頭部で
1平方センチあたり80FUほどなので
40FUほどが目安となります。
1つの毛穴に平均して2本の髪が生えるので
本数にすると80~100本ほどが
限度という感じです。
また、どんなに腕がいい医師でも
多少はドナーロスが起こりますから
それも考慮する必要があります。
つまり達成密度というのは
あくまで理論値であって
その説明どおり仕上げるのは
まず無理だということになります。
・機械の方が手作業より有利?
これも現状は全く当てはまりません。
機械だとドナーの損傷率が
手作業より高いことがわかっていて、
近年トレンドの植毛機はダイレクト法が主流で
よりリスクが高い方法といえます。
傷が小さい、治りやすい、
手術時間が短めであったとしても
発毛率が低ければ意味がありません。
ちなみに植え込みは手作業なので
結局時間はけっこうかかります。
また、ドナーを採取する時間の速さも
けっこう謳われていますが
重要なのは速さより正確さです。
・FUEの方がFUTより優れている?
これは時と場合によって多少変わりますが
基本的にはFUTの方が優れています。
ドナーの損傷率が低いので
世界のゴールドスタンダードになってるほどです。
にも関わらわず線状の傷が残るなどの
表面上の欠点を声高に掲げて
批判するのはどうかと思います。
・重要なのは植毛の知識を身につけること
代表的な事柄を取り上げましたが
それだけでも結構誤解を招くような
要素が多いことがわかったと思います。
細かい点をつくともっとあると思うので
機会があったら追加していきます。
とにもかくにも大事なのは
他の育毛法や健康法などと同じく
知識を身につけることです。
そうしないと言われるがままで
自動的に鵜呑みするしかなくなるので
とても危険なことです。
植毛技術は日本から生まれたと
考えられるのですが、
残念ながら現在は後進国になっています。
そのため嘘のような説明も
まだ多く存在していると思います。