前回のビタミンKの記事の補足的な内容になりますが、
ビタミンKは主に血液の凝固作用やカルシウムの定着作用により
骨の形成に大きく貢献することなどが知られています。
カルシウムは骨にいいとよく言われますが
ビタミンKもしっかり摂取しないと丈夫な骨が育たちません。
あとビタミンKには血管に関しても重要な働きがあります。
動脈硬化はカルシウムが沈着することで起きる
というのが最も重要といえる要素といわれています。
それにより動脈は石灰化をおこして血管が弾力を失い、
心臓病などを引き起こす原因になったりします。
ちなみに臨床研究によるとビタミンKを摂取し続けた人は
そうでない人と比べて血管の弾力性が保たれたと報告されてます。
また、心臓病のリスクも半分に抑えられたとしています。
そのような死に関わる重病の話と育毛はあまり関係ないのでは?
と思う方が多いと思います。
しかし今回の話は血管の健康に深く関わることであり、
髪も血管と関係が深いことから全く関係ない話ではありません。
体はどこそこが独立して働いているわけではないので
頭部の血管に問題がなかったら良し、
という考えはあまりに短絡的で危険だと思います。
西洋医学では特定の臓器が良ければ良いと考えますが、
東洋医学では体全体を意識する考え方であり、
育毛も必ず後者よりの考えをする必要があります。
栄養素の観点でいえば、髪との関係が深いと言われる
ケラチンとか亜鉛とかが取り沙汰されがちですが、
人間の体に必要なものはある意味すべて髪にとっても必要だと考えるべきなのです。
ビタミンKは納豆などの発酵食品や緑黄色野菜に多く含まれており
欠乏症に陥ることはほとんどありません。
しかし、現代人の食生活は年々ひどくなる一方ですので
果たして十分に摂取できているのか…常に疑問符がつきます。
あとビタミンKは腸内細菌でも作られることが知られていて、
以前はそれで十分まかなうことができると言われてましたが、
最近はそれだけでは不十分だと言われるようになってきてます。
なぜなら腸内細菌で作られるビタミンKは食物に含まれるビタミンkと性質が異なり
腸管から吸収されにくいことがわかったからです。
そもそも細菌で十分まかなえるとしても
食生活が乱れてたら腸内細菌バランスが崩れて元も子もありません。
ということでビタミンKという狭い範囲の話題からも
現代人の生活習慣の乱れと薄毛人口の増加も垣間見えてくると思います。
あと1日の所要量は成人男性で65μg(マイクログラム)
成人女性で55μgと言われていますが、
基本は数値よりも規則正しい食生活を送ることを意識しておいたほうがいいと思います。
人間は機械ではないので数値では測れないものです。
そして不足はほぼ起こりえないということでサプリメントに頼る必要もないでしょう。