スピロノラクトンとは高血圧や心不全、
原発性アルドステロン症などに用いられる薬剤です。
(原発性アルドステロン症とは血中のカリウムや
ナトリウムのバランス制御を行うアルドステロンが減る病気
例えば低カリウム血症になると脱力感や多尿が生じる)
あとスピロノラクトンには女性ホルモン作用もあり
それが男性ホルモンのDHTを抑制に繋がるとわかり
育毛薬としても注目されるようになります。
しかしスピロノラクトンはプロペシアより
副作用が強い薬といわれます。
フィナステリド(プロペシアの成分)は
DHTを生み出す酵素(5αリダクターゼ)の働きを抑制し
薄毛原因物質自体を作らせない働きであるのに対し、
スピロノラクトンは男性ホルモンより先に
男性ホルモンレセプターと結合して
作用させないようにします。
それによりDHTを作用させなくできそうですが
テストステロンも作用できなくなります。
よってフィナステリドより
女性化の副作用が出やすいといわれています。
女性化とは乳房が大きくなったり
性欲が減ったり(リビドー減退)
陰萎(いんい:インポテンツの意)などが起こること。
他の副作用としては血中のカリウム値が上昇したり
ナトリウムが減る電解質異常やそれによる腎不全、
過敏症、肝臓の酵素AST(GOT)などの上昇、
倦怠感、発熱、多毛、しびれなどがあります。
形態は飲み薬と塗り薬の2種類があり
個人輸入でも入手は可能なのですが
育毛薬を買うならフィナステリド錠が無難かと思います。
(商品名はアルダクトンやハイレスなど)
スピロノラクトン自体は医薬品として承認され
健康保険の対象にもなっていますが
育毛薬としてはFDA(アメリカ食品医薬品局)でも承認されていません。
ちなみにFDAの胎児危険度分類では
上から3番目に危険なカテゴリーCに分類されています。
(オーストラリア版ではB3)
(日本の場合は添付文書に妊婦や妊娠の可能性がある人には
危険性が有益性を上回ったときのみ投与すると記載されています)
一応男女共に使える薬剤ではありますが
胎児や未成年の安全性が確認されておらず
母乳にも一部移行するといわれているので
十分注意する必要があります。