旧表示指定成分とは厚生省(現在の厚生労働省)が
アレルギーや皮膚障害などの人体に有害な反応が
起こる可能性があると指摘した102種類の成分のことです。
今では化粧品の全成分の表示が義務化されてるので
102種類の成分の総称には「旧」とついています。
それらの成分が100%悪い作用を及ぼすわけではないですが
旧指定成分は石油を精製した際に出る残留廃棄物を
どうにか再利用できないかという思いから作られたものがほとんどです。
当初は資源の無駄をなくせたうえコストも安く済ませられると
かなり画期的ですばらしいことだと思われていました。
ところが1970年代に入ってから様々な医療機関で
皮膚障害の例が報告されるようになり
1977年には黒皮病裁判が起こってしまいます。
その裁判は化粧品に含まれるタール色素が原因で
顔にシミが出来たと18名が化粧品会社を訴えたもので
その後和解が成立しました。
それを機に国は本格的な調査に乗り出して
1980年に厚生省告示167号により
102種類の成分表示を義務付けたという歴史があります。
コスト面などの問題もあるためか健康志向が高い現在においても
残念ながら全ての企業が安全性を最優先にしてないのが現状です。
運営者によって考え方も異なるので
一概に良い悪いは言いにくいところでもありますが
長く使う商品ほど安全性が高いに越したことはありません。
最近は無添加であることを全面に打ち出して
本気で消費者の健康の事も考えるところも増えてますが
まだまだ全体で見るとほんの一握りです。
ある意味それより問題なのが
無添加という言葉を安易に使ってる例が増えてることです。
実は無添加という言葉は非常に曖昧で
旧指定成分など一部の成分を配合してないだけで
無添加と宣伝している例もあります。
今のところ無添加表現の基準と言うのは法整備されていないので
各々の企業の独断と偏見で自由に決めれるのが現状です。
つまり旧指定成分無添加だからといって
必ずしも安全であるとはいえないということです。
特にアレルギーというのは人それぞれ
反応するものや度合いは全くもってバラバラですよね。
旧表示指定成分に入っていなくても
アレルギーを起こす成分は地球には数多く存在します。
例えば定番といわれるメントールやビタミン類もそうですし
フロンガス・パラフィン・カオリン・乳酸・スクワラン、
そして天然の色素でも人によっては危険なものになりえます。
ちなみに現在は全成分の表示が義務化されてますが
かつては欧米諸国も特定の成分を表示するよう決めてました。
しかし日本の102種類に対してアメリカは800、
ヨーロッパでは5000もの成分を危険視していました。
そして全成分表示の決定も欧米ではすでに主流だったことから
それに乗っかった形だったといわれてます。
まだまだ日本は海外に比べ意識が低いといわざるを得ません。