男性型脱毛症は遺伝の影響が強いことがわかってきています。
まだそのことがよくわかっていない時代から
子供は親に似ることは経験上誰もが感じることなので
まことしやかに昔からハゲも受け継ぐと考えられてきました。
その噂は残念ながら極めて正解に近いものです。
まだ全てのことが判明していないので
謎めいた部分もありますが現在は親からというより
母方の祖父から受け継ぐ可能性が高いといわれています。
男性ホルモンのDHTの感受性は個人差がありますが
その情報は母親から受け継ぐX染色体に記録されてます。
男性は母親からのみX染色体を受け継ぐので
母方の祖父が関係しているというのが現在の説です。
でも男性ホルモンは薄毛の最大の原因とよく言われますが
誰もがAGAにかかるわけではありません。
10代でハゲの兆候が現れる人もいれば
70台を過ぎてもフサフサな人もいますよね。
あと家族や親戚が禿げてる人ばかりなのに
なぜか兄弟姉妹の1人は全く問題ないという場合もあります。
つまり薄毛家系といわれる星の元に生まれたとしても
必ずしも将来はげるとは限らないということです。
もちろんその真逆もありえます。
家族に誰も薄毛に悩む人がいないにも関わらず
自分だけ若ハゲになってしまったのはなぜ…
と苦悩する方も少なくないと思います。
なぜほとんど同じ人間にも関わらず
世の中不公平と言いたくなるくらい差が生まれるのか。
それはたまたま母方の祖父からの隔世遺伝により
運悪く男性ホルモンの感受性が高いDNAを受け継いだか、
遺伝子のコピーミスも関係してると思われます。
遺伝子(DNA)は非常に精度の高い複製をするのですが
間違うこともよくあるのだそうです。
DNAは塩基という物質が30億も連なったものすごく巨大な分子ですので
一部にエラーが起きても不思議ではありません。
通常複製ミスを起こした細胞は次世代に受け継がせませんが
生殖細胞で起こったミスは受け継がれてしまいます。
つまりX染色体の一部になんらかのエラーが生じ
薄毛になりやすいものからなりにくい配列に
変化してしまう可能性も考えられるのです。
よって生まれてみるまでどんな遺伝情報を持っているのか
全くわからないというわけです。
もし薄毛家系といえるほど身内に髪が薄い人が多くても
必ず禿げると決まっているかどうかわからないので
安心できる面もあれば油断できない面もあるということになります。
実際、遺伝的に癌になりやすい家系というのが存在しますが、
親戚親子全員がガンになりやすい遺伝子を受け継いでるわけでないです。
また、温和な夫婦から必ずしも
温和な性格の子供が生まれるわけでもありません。
むしろ真逆のとんでもない悪魔的ともいえる
すごい性格の子供が生まれる可能性だってあるのです。
ということで、遺伝子というのはとても気まぐれともいえる存在であり、
しかも現代の技術では禿げないDNAに書き換える治療なんてないので
基本的には現在の遺伝子と一生を共にする必要があります。
つまり遺伝のことを考えるよりどう対策するかなどと
前向きな考えで行動するほうが何十倍も大事になります。