脱毛症はAGA(男性型脱毛症)である場合が
ほとんどなので薄くなる部位は大体限定されます。
それが頭頂部か前頭部です。
もしくは両方が混在する場合もあります。
厄介なのは前頭部の脱毛です。
前頭部がどこからどこまでという
明確な基準はありませんが、
頭のてっぺんより前側の方だと
思ってもらえればいいと思います。
なぜ前頭部のほうが厄介かと言うと
頭頂部より治りにくい特徴があるからです。
いろいろ対策してもおでこ正面の生え際や
両サイド(もしくは片方)の生え際(角額、M字とも言う)は
後退するばかり、維持に留まるという声を
一度は聞いたことがあると思います。
それは男性ホルモン(酵素)と皮膚に原因があります。
男性型脱毛症はDHTという男性ホルモンにより発現し、
DHTは5α-リダクターゼという還元酵素により生まれます。
その還元酵素は1型と2型がありますが、
2型のそれのほうがより強力なDHTを生み出すとされています。
2型は体のごく限られた部分にしか存在しませんが
その一つに前頭部が含まれているのです。
遺伝により男性ホルモンの感受性が人それぞれ差異があるものの、
頭頂部より男性ホルモンの影響が強いと考えられ、
フィナステリド(還元酵素の働きを抑制する医薬成分)を用いたとしても
その抑制効果を上回っている可能性が考えられるのです。
そして前頭部は脂でベトベトしたり
皮膚が赤くなる人が割と多いと思いますが、
DHTに皮脂の分泌を促進させる働きがあるため、
それが原因の一つだと推測できます。
赤いということは炎症が起きている証拠です。
あと前頭部の薄毛が進行する人は30代辺りから多くなり、
皮膚がとても硬いという特徴もあります。
正確には皮膚のすぐ下に位置する
帽状腱膜という丈夫な繊維組織が萎縮して硬くなるのです。
それはつまり血液の通り道が閉ざされた状態で、
毛根に栄養も酸素も供給できない深刻な事態なのです。
よって前頭部は頭頂部よりも
強力なダブルパンチを受ける場所と言えます。
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