医薬品が胎児に与えるリスクを示した
胎児危険度分類というものがあります。
医薬品が妊婦に対して
どの程度危険性があるものなのか
大まかに分類したものですが
日本にはまだ存在していません。
よって診療時にはアメリカのFDAが示した分類か
オーストラリアが示した分類を参考にします。
ではそれはどのような内容なのか、
FDAの分類を例に見ていきます。
<カテゴリーA>
適切かつ対照のある研究で妊娠第一期の胎児に対する
リスクが証明されておらずそれ以降のリスクの証拠もない
<カテゴリーB>
動物実験でリスクが確認されておらず対照の研究が存在しないもの
もしくは動物実験で有害な作用があると確認されたが
妊婦を対照とした研究でリスクの存在が確認されていないもの
<カテゴリーC>
動物実験において胎児のリスクが証明されてるが
適切で対照のある妊婦への研究が存在しないもの
潜在的なリスクがあるといえるものだが
利益を理由に正当化される可能性もある
<カテゴリーD>
使用や市販後の調査、人間を用いた研究で
胎児のリスクを示唆する明らかなエビデンス(根拠)があるもの
しかしカテゴリーCと同じく正当化される危険性もある
<カテゴリーX>
動物・人間の双方の研究で明らかに胎児奇形を発生させ
使用や市販で明らかに副作用の根拠が示されたもの
どんな場合も潜在的な利益よりリスクが大きくなるので
事実上の禁忌となる薬物である
※オーストラリアの分類もほぼ一緒の内容です
少々お堅い説明文が並びましたが、
要は下に行くほど危険度が大きいということです。
そこで気になるのが
育毛薬はどのカテゴリーに分類されてるか。
育毛薬でおなじみの
フィナステリド(プロペシアなどの成分)は
カテゴリーXに分類されています・・・!
よって妊婦の方はもちろん、
フィナステリドを服用する人は
細心の注意を払わなければなりません。
ただ勘違いしてほしくないのは
あくまで妊婦に用いた場合による分類なので
必ずしも他の人が危険にはならないということ。
また、国により判断基準が異なるのもあり
まだ正確性に乏しいという指摘もあります。
でもフィナステリドや脱毛症のことは
全てが解明されているわけではないので
女性は妊婦でなくても気をつけるべきです。
(触れてもいけないといわれるのは
皮膚から成分が入り込むことが懸念されてるため)
ちなみにミノキシジルの危険度は
Cに分類されていますが(FDA)、
妊婦さんは念のため使わないほうが無難です。