髪の毛は腎をはじめ体が健康な上で初めて成り立つ組織ともいえます。
よって西洋医学的な考え(対症療法)だけではなく
時間がかかっても東洋医学の観点から
体をケアすることがとても重要になります。
代表的な対策は食べ物の摂取、漢方薬の摂取・塗布
ツボの刺激あたりですが漢方の世界では気功も重視されます。
今回は人間の体の仕組みを
漢方(中医学)的観点から説明していこうと思います。
中医学では古来から万物万象を木・火・土・金・水という
5つの記号で分類し五行論というものがあります。
体の機能もそれになぞらえて5つに分類されています。
それを「五体」といいます。
五体満足という言葉を聞いたことがあると思います。
それは頭や手足が健康であるという意味で使われてますが
中医学でいう五体とは次の5つのことを指します。
・「識(しき)・神(しん)・気(き)・精(せい)・力(りき)」
「識」とは意識のことですがただ起きているときにあるものだけではなく、
潜在意識や自己意識も含んでいるものを指します。
つまり自分がいままで経験したこと(業:ごう)や
自分の人格をあわせたものなので識は人間にしかないものとされています。
「神」とは対象に対してほとばしる心のことで愛憎的感情とも表現できます。
ただ感情というと自分に向けたことですが神は心を相手に向けるものです。
「気」とは秩序を保つ作用のことです。
つまり自然界や人間の体のバランスを保つ作用であり
自然の気を「原気」・生物の気を「生気」といいます。
よくエネルギーと解釈されることがありますが漢方的にそれは精のことを指します。
「精」とは前述のとおり仕事をするエネルギーのことです。
精は人間だけでなくあらゆる生命体がもっており
熱を生み出す機械も持っています。
「力」とはそのまま「ちから」という意味で
人間や動物はもちろん無生物といわれるウィルスも持っています。
・人間に備わる五体はどういう繋がりがあるのか
では「識・神・気・精・力」がどのような繋がりがあるのか解説します。
「識」は生まれたときから脳の中にあります。
「神」は「識」を原料に作られ脳に残るものと心に入るものと分かれます。
心に入った「神」が「気」を作る原料になります。
「気」は原気と生気に分かれてますが人間の中で使われるのは生気です。
生気は原気と心に入った神が煉(ね)られて作られます。
(原気は呼吸により肺に入ってきます)
作られた生気は腎に入ります。
生気は体全体に使われるものと「精」の原料になるものに分かれます。
「精」は精力に使われるものと「力」に使われるものに分かれます。
「力」に使うというのは滋養を与えるという意味になります。
「力」は元々筋肉の中に存在しているので
「精」はそれをサポートするってことです。
腎の気が髪に重要と言われるのは
腎から生まれた「精」(エネルギー)が骨髄に送られ
血液という形で全身に送られるからですね。
五体の流れをまとめると次のようになります。
識(脳)
↓
神(心)
↓
原気(肺)
↓
生気=気(腎)
↓
精(腎)
↓
力(筋肉)
※ちなみに五体の正しい読み方は「ごほん」なのですが
時が流れる内に間違った読み方が正しくなっています。