炎症やアレルギー症状を抑制するグリチロンは円形脱毛症に用いてもよい

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ミノファーゲン製薬のグリチロンは
グリチルリチン酸・グリシン・メチオニンを配合した医薬品です。

グリチルリチン酸は甘草(かんぞう)から得られる成分で
皮膚の炎症や湿疹・かぶれを改善するほか、
肝臓の炎症も抑えると同時に肝細胞の増殖を促し
肝臓の働きもよくする効果があります。

グリシンとメチオニンは共にアミノ酸の一種で
髪の主成分であうるケラチンの材料になるということで
育毛に大事といわれる物質です。

※育毛剤や化粧品にグリチルリチン酸ジカリウムという成分が
よく使われていますがそれはグリチルリチン酸を
水に溶けやすくしたもので医薬部外品に指定されてます。

※ちなみにグリチルリチン酸2Kとも呼ばれる。

グリチロンはアレルギーにも効果があるので
円形脱毛症の治療にも使われることがあります。

患者の臨床的背景や症状の種類によって
どう効果が違うのか、再発率はどうなのかなど、
まだ具体的に分かってないことが多いのですが、

診療実績が多いことから
単発型か多発型には併用療法として
用いてもよいC1判定になっています。

注意点としては薬を飲んだことによって
かゆみや発疹などのアレルギー症状が出たことがある方、
アルドステロン症、ミオパシー、低カリウム血症、肝硬変、
また妊娠中や授乳中の方は医師に伝えるよう必要があります。

あと大衆薬も含め何か他に薬を飲んでいても
報告するようにしましょう。

そして飲み忘れたからといって
その分を追加して飲んではいけません。

副作用としては、
血圧の上昇や腹痛、尿量の減少、体重の増加、
脱力感、筋肉痛、麻痺、痙攣
などがあるので
いつもと違う症状が起きた場合は速やかに医師に報告しましょう。

ちなみにグリチルリチンは
砂糖の30倍から50倍の甘みを持つといわれ
カロリーが少なく安全性が高いことから
嗜好品や薬の味付けに使用されています。

しかし摂取しすぎると偽性アルドステロン症という
副腎から分泌されるホルモンであるアルドステロンが
過剰分泌したかのような症状がでます。
(高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫、高血圧症)

日本ではそれを考慮して1日の摂取量を
200mgまでに制限しています。

過剰摂取はまずないと思われますが
頭の片隅にでもいれておきましょう。

このことから安全な成分や食べ物であっても
摂りすぎはよくないことを改めて実感した次第です。

円形脱毛症ガイドラインについてはこちら