円形脱毛症のガイドラインで
C1に分類されている第2世代抗ヒスタミン剤。
それはアトピーが原因による円形脱毛症の
単発型や多発型に用いると有効とされています。
まずヒスタミンとは何かと言うと
食べ物から摂取されたり体の中で合成される物質で
血管拡張や胃酸分泌などいろいろな薬理作用があります。
しかしヒスタミン1型受容体と結合すると
炎症やアレルギー症状を引き起こしてしまいます。
抗ヒスタミン剤とはその受容体とヒスタミンの結合を防ぎ
症状を緩和するための薬剤になりますが
中枢神経系に作用して眠気を出す副作用があります。
抗ヒスタミン剤は第1世代と第2世代に
分類されますが後者の方がその副作用が少ないものになります。
円形脱毛症患者の40%以上は
アトピー性皮膚炎を併発しているので
副作用が少ない第2世代抗ヒスタミン剤の内服が
ある程度有効であると判断されています。
ただしアトピー素因を持つ人に限定されてるので
研究で十分な根拠が示されてはいるものの
円形脱毛症全体でみれば有益度は微妙かもしれません。
※アトピー性皮膚炎とはアレルギーにより
皮膚に炎症や湿疹が起こる過敏症の一種
※アトピー素因とは家族や本人が
気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎、
アトピー性皮膚炎にかかりやすいかを示す素質の事。
(過去にかかったことがあるかも重要)
(またIgE抗体が作られやすいかも目安になる)
ちなみに比較試験では次のような結果がでています。
罹患(りかん)期間1年以内の単発型・多発型の患者において
セファランチンに比べアゼラスチンのほうが
脱毛範囲が縮小する根拠を見出す。
罹患期間が1年以上の患者では
ジアゼパムよりエバスチンのほうが
脱毛範囲が縮小する信頼性の高い根拠を見出す。
光線療法とオキサミドを併用したところ
服用前と比べてより有意な結果が得られ、
アトピー素因を持つ症例では
特に早く改善する根拠が見出された。
あと局所免疫療法と
フェキソフェナジンを併用すると
有意に改善したという報告もあります。
よって根拠がわりと多い治療法なので
アトピー素因を持つ方は注目すべきことです。