交感神経の働きを麻酔で抑制することで
痛みの原因を取り払う治療法があります。
それが星状神経節(せいじょうしんけいせつ)ブロックです。
(Satellite Ganglion Block:通称SGB)
星状神経節とは首の付け根あたりにあり
顔や首、腕、胸、心臓、肺などを支配する
重要な神経の一つです。
円形脱毛症は自律神経系の異常も
一因といわれているのでその治療法が有効では?
という風になったと思われます。
また、SGBによってリンパ球の
過剰な活性化が抑えれるようなので
他のアレルギー疾患にも行われています。
しかしSGBは技術的に難易度が高く
熟練の医師でもかなり難しいようです。
一般的に注射を用いますが
星状神経節と肺が隣接しているため
気胸を起こす可能性が高いとの事。
(気胸とは空気が肺を圧迫して
外気を取り込むことがしづらくなる病気)
そして何より根拠が薄いことが気になります。
今のところ2件の非ランダム化比較試験で
脱毛範囲が縮小したという結果が出ているが
たったの2件なので根拠が乏しいのが現状です。
(ランダム化比較試験は本物と偽者の薬を用いて
薬の効果を調べる試験方法)
多発型に効くという話もありますが
例が少なすぎるので何とも言えません。
ちなみに赤外線を照射する安全な方法もあり
局所的な治療のため副作用は出血や気胸、感染程度、
そして保険も効くというメリットがありますが、
肝心の脱毛治療効果がよくわかっていないため
ガイドラインでは行わない方がよいC2判定になっています。