医薬品が胎児にどの程度悪影響を及ぼすかを
危険度ごとに分けた胎児危険度分類。
アメリカ食品医薬品局(FDA)が
発表したものが有名ですが
ほかにもオーストラリアでも
独自に分類を作っています。
それはオーストラリア薬物評価委員会(ADEC)の
先天異常小委員会によって作成されました。
内容はFDA版とほぼ一緒ですが
参考程度に紹介しておこうと思います。
<カテゴリーA>
多くの妊婦や妊娠可能な年齢の女性に対して服用されている
先天奇形の発症率の上昇や間接的・直接的に
胎児に対する有害作用は確認されていない
<カテゴリーB1>
妊婦や妊娠可能な年齢の女性に制限を設けた人数に服用されてるが
カテゴリーAと同じく胎児の有害作用は確認されていない
動物実験においても胎児障害増加のエビデンス(科学的根拠)は認められない
<カテゴリーB2>
カテゴリーB1とほぼ一緒の内容
動物実験においては不適切な資料しかなく
利用できる資料があるがエビデンスは認められない
<カテゴリーB3>
人間のリスクに関してはカテゴリーB1と一緒だが
動物実験において胎児障害の増加が確認されている
しかしそれがどの程度の重要度なのか不明確である
<カテゴリーC>
奇形を発生されることはないが
胎児や新生児に可逆的な傷害を与える可能性がある
<カテゴリーD>
先天奇形の頻度を増加させ回復不能な傷害をもたらす
もしくはその可能性が考えられるもの
薬理学的副作用も伴っている可能性もある
<カテゴリーX>
胎児に恒久的(いつまでも続く)な傷害を与える高いリスクがある
妊婦はもちろん妊娠の可能性がある女性には
投与してはならない禁忌薬物にあたる
FDAの分類と大きく違う点は
カテゴリーBが3つに分かれていることです。
ただそんなに違いがないことや
動物実験によるデータが主になっているので
信頼性にかけるともいわれている。
あとどちらの胎児危険度分類にもいえることですが
BだからCより絶対安全とはいえないので
曖昧な部分があるといえます。
今後内容は少しずつ改定されていくと思うので
そのときはまた紹介したいと思います。
フィナステリドやミノキシジルの危険度については
FDA版胎児危険度分類の記事で言及しています。