東京港区にある国家公務員関係者や
その家族のために設立された虎ノ門病院は
医薬品の胎児危険度分類を独自に作成されてます。
薬の危険度だけに焦点をあて
疫学調査・症例報告・動物実験の順に
重点をおいて評価しています。
(疫学調査とは病気を引き起こす
可能性があるものを統計的に調べること)
他の分類と違って点数で分類されています。
<0点>
疫学調査で催奇形の傾向がなく症例報告もない
動物生殖試験はないか催奇形が認めらない
また食品としても使用されている
<1点>
疫学調査が行われておらず症例報告もない
動物実験においても文言は0点と同様
また局所および漢方薬で使用されている
<2点>
疫学調査および症例報告はないが
動物実験において催奇形の報告がある
しかし否定と肯定の優劣を付け難い
<3点>
疫学調査で催奇形の肯定的報告と否定的報告があり
どちらかといえば否定的なもの
動物での催奇形報告もあるが人で起こるとはいえない
また疫学調査は行われていないが人での催奇形報告がある
ただし否定と肯定の線引きは難しい
<4点>
3点でいうどちらかというと肯定的なもの
人での催奇形に関する信頼性が高い症例報告が複数ある
<5点>
疫学調査で催奇形が確定的にあると考えられてるもの
また動物実験の結果から人にも催奇形があると
確定的に考えれているもの
次に服用時期にも点数で区分けされています。
「0点」 0~27日目 無影響期
「5点」 28~50日目 絶対過敏期
「3点」 51~84日目 相対過敏期
「2点」 85~112日目 比較過敏期
「1点」 113~出産日 潜在過敏期
このことから妊娠初期の方が
薬の影響を受けやすいことがわかります。
そして最後に総合評価なるものもあります。
それは薬剤自体の危険度の点数 × 服用時期の危険度の点数で出せます。
それぞれの評価は、
<<0~6点・影響がない>>
全く影響が考えられず胎児の奇形が起こる確率は
薬剤を服用しなかった人と全く同じ
<<7~11点・注意が必要>>
奇形リスクは0とはいえないが
確率は薬剤をしていない人と同じか大差がない
動物実験では催奇形が報告されてるが
人では否定的なためまず安全と考えれる
<<12~19点・警戒すべき>>
胎児への催奇形の可能性はあるが危険性は低い
薬剤を服用していない人の奇形発生率を1%とすると
2~3%程度になるものと考えられている
ただ人工妊娠中絶を考慮するレベルではない
<<20~25点・危険である>>
服用しなかった場合と比較して
明らかに催奇形の可能性が増加する
そのことを理由に人工妊娠中絶されたとしても
一部の専門家はその判断を根拠がないものと考えない
点数であることと時期も考慮されてることから
他の分類よりわかりやすいところがありますが
まだ曖昧な文言が目立つような感じではあります。
まだこの分類が世に知られていないのか
どの薬が何点なのかという情報が少ないのが現状です。
とりあえず育毛薬の定番である
フィナステリドやミノキシジルは
妊婦や授乳中の方はやめておきましょう。
(そもそも前者は女性にとっていつでも禁忌ですが)