胡麻(ゴマ)は体に良いということは
あなたもいろいろなところから耳にしたことがあると思います。
ゴマは私たちが生まれるずーーっと前、
一説には5000年以上前から栽培されていたと言われており、
日本でも縄文時代の遺跡から出土しているらしいので
人との関わりが最も深い植物のひとつだと考えられます。
現在では世界中で栽培されており、
様々な料理に使われるなど利用法は多岐に渡ります。
ただ粒が小さくメインディッシュになることがないため
あまり意識されないかもしれませんがゴマは種実類、
つまりナッツ類の一種なのです。
ナッツ類はトップテンオブシティというアメリカの格付けサイトで
髪にいいとされる食べ物ランキング2位と評価された食べ物です。
よって最近はナッツを個別に考察していますが、
今回はゴマについて触れていきます。
以前にもゴマ(黒ごま)について色々触れましたが、
前回の内容を補足する形でゴマと育毛の関係を考察していきたいと思います。
参考:前回の記事(黒ゴマの概要的な内容です)
・ゴマはナッツ類の典型的な特徴をもっている
まずはゴマに含まれる栄養成分についてですが、
炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルといった
基本的な栄養素をほとんど網羅しています。
ビタミンAはほとんど含まずC,D,K,B12は含んでないですが、
それは他の食品でカバーできるため問題ではありません。
炭水化物は100g中20gほどと若干多いですが
そのうち半分は食物繊維が占めているので
食べ過ぎなければ糖化の問題はほぼないといっていいでしょう。
(糖化とはタンパク質と糖質が結びついてAGEsという
老化物質が生まれる現象のことであらゆる組織に害を与えます。
糖化予防は薄毛予防に直結しうることを是非覚えておいてください。)
次に脂質は全体の約50%ほどを占めており、
ナッツ類の中では標準的な含有率となっています。
そのうち8割の約40gが不飽和脂肪酸で占められており、
オレイン酸が地味に多い特徴があります。
オレイン酸はオリーブオイルに多く含む成分で有名で、
血管の健康に大きく寄与するといわれています。
不飽和脂肪酸の中では酸化しにくいので調理に向いてる特長もあります。
タンパク質は約18%ほど含んでおり、
大豆ほどではないにしろ良いタンパク源になります。
タンパク質は動物性と植物性の2種類がありますが、
前者は癌のリスクを上げるという指摘があり、現代食はそちらに傾く傾向にあります。
そういう意味でもゴマは重要な食品だと言えます。
アミノ酸は18種類しっかり含有してますが、
そのうちグルタミン酸がとりわけ多く4g程も含みます。
グルタミン酸は旨味成分のひとつなのでそれも美味しく感じる理由なのかもしれません。
ビタミンについては特筆すべき点は見当たりませんが、
強いて言うなら葉酸(ビタミンB9)が多いことでしょうか。(約100μg)
葉酸は血管の健康に深く関わっていることがわかってる成分で、
ナッツ類ではひまわりの種(約280μg)やクルミ(約100μg)に多く含みます。
ミネラルについては全体的に高い特長があり、
カルシウム、鉄、マグネシウム、セレン、リン、
マンガン、亜鉛あたりが特に多く含まれています。
前回の記事でも少し触れましたが
育毛では欠かせないと言われる亜鉛の含有量はかなり高く、
全食品の中でもトップクラスとなっています。
そしてゴマはリグナンという抗酸化物質の注目度が大変高いですね。
ゴマリグナンは水溶性ではなく脂溶性なので
他の抗酸化物質、例えばビタミンCなどと違って
肝臓にまで到達できるという特性があると言われています。
肝臓は人体の化学工場であり解毒をはじめ数多くの機能があり、
その衰えは体中に毒素を回して髪の毛にも被害を及ぼします。
ちなみにゴマの健康成分としてセサミンが有名ですが、
それはゴマリグナンの一種に過ぎないのでサプリよりかは
ゴマそのものを食べたほうがいろんな栄養素を摂れるのでより良いと思われます。
あとゴマには黒ゴマ、白ゴマ、金ゴマなど色々種類がありますが、
栄養的にはどれもほとんど大差ないとのこと。
しかし、黒ゴマの場合はアントシアンなどの抗酸化物質を更に含んでいたりと、
他の品種とは一味違うとされるので黒ゴマを基本にしたほうがいいでしょう。
・食べる量や食べ方などの注意点
このようにゴマはいいことづくめな感じですが、
もちろん注意点は他の食品と同じく存在します。
最大のポイントは食べ過ぎないことです。
どんなものでも食べ過ぎは体に毒となります。
食べ物を多く取り込むほど消化に手間取ることになったり、
免疫細胞の本来の働きが出来なくなって免疫力が落ちたり、
活性酸素も多く生まれることになってしまいます。
先程も少し触れましたが炭水化物も自然と多く摂ることにも繋がるので
どんなものでもほどほどが原則となります。
ただ上限量や許容量はどのくらいが適当なのか、
具体的な指針は食品という理由もあってか明確には定まっていません。
一般的には大さじ1杯ほど(約15g)が良いとされているので
それを目安にすればいいのではないかと思います。
ちなみに脂質により肥満になることはかなり考えにくいです。
脂質はタンパク質や糖質よりカロリーが高いと定義されてますが、
脂肪細胞が大きくなる主因は糖質なのでカロリーが高いから太る、
という方程式は必ずしも当てはまりません。
あとオレイン酸の他にリノール酸も多い特徴があり、
過食
は脂肪酸のバランスを崩す要因にもなりえます。
リノール酸は必須脂肪酸の一種ではあるのですが、
(質の悪い)サラダ油の横行などでそれに偏りがちな傾向があります。
そして食べ方についてですが、
ゴマは外皮が硬いのでそのまま飲み込んでも栄養分が全然吸収できず、
そのまま外に出てしまうことになってしまいます。
よってよく噛むのはもちろんのこと、
できればすり鉢で砕いて胡麻和え(ごまあえ)にしたり、
スープ類に加えるなどして摂取したほうがいいですね。
胡麻和えだとほうれん草など野菜もプラスすることができ、
汁物だと栄養素が溶け出して吸収効率が上がることも考えれます。
日本ではあまり栽培されていませんが
世界では毎年何百万トンも生産されているゴマは、
栄養価が高いのにナッツ類の中では安価に手に入るメリットもあります。
サプリも良いのですがなるべく科学的なものばかりに頼るのではなく、
ゴマのような良質な天然食品を食べるほうが体にも髪にも有益です。
<他のナッツ類の考察記事一覧>
⇒胡麻(ごま)(この記事)
<参考>