いんげん豆は薄毛対策に良いのか悪いのか|栄養や食べ方から考察

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日本人がよく食べる食材である豆類。

その中でいんげん豆は馴染み深い豆のひとつとなっています。

一口にいんげん豆といってもいろいろな種類があり、
白金時豆(しろきんときまめ)や大福豆(だいふくまめ)、手亡(てぼう)、
そして金時豆や鶉豆(うずらまめ)、虎豆(とらまめ)などもあります。

また、いんげん豆は色の濃さで呼び名が大別されており、
前半の3種類は色が白色系ということで白いんげん豆と呼ばれ、
金時豆は赤インゲン豆と呼ばれることもあります。

(アメリカ産のレッドキドニーと金時豆は見た目は似てますが
正確にはレッドキドニーは赤インゲン豆ではないそうです)

いんげん豆も他の豆類と同様に食物繊維が多かったり、
アミノ酸やビタミン、ミネラルをバランスよく多く含んでいたり、
ポリフェノールを含んでいたりと健康によいとよく紹介されます。

いんげん豆にはサポニンというポリフェノールが含まれており、
それは強力な抗酸化作用や中性脂肪やコレステロールを低下させる作用もある、
とされるので現代人が真っ先に飛びつきそうな特徴があります。

脂肪分が少なくタンパク質も多く含まれることから
世界的に需要があるせいか値段も安い特徴があり、
様々な国で様々な料理に応用されてもいます。

また、育毛との関連が深いとされるリジンが多いという特徴もあります。

リジンはミノキシジルの効果を高めると言われる注目株で、
併用することがよく薦められるアミノ酸の一種です。

単体でも育毛効果があるという研究報告もあることから、
それなりに信頼性がある数少ない成分だと言えます。

このように健康的にも育毛的にも
いんげん豆はメリットがあると思われますが、まだ話には続きがあります。

・いんげん豆のデメリットについて(けっこう重要です)

いんげん豆について注意深く調べていくと、
メリットよりデメリットの影響力が強いのではないかと感じます。

まず気になるのは糖質の含有量の多さです。

いんげん豆は種類により多少違いはあると思われますが、
100g中約60gもの炭水化物が含まれています。

つまり糖質の量もそれなりに多く含まれてることを意味します。

炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものなので、
その全てが糖質というわけではないのですが、
主成分であることは間違いありません。

食物繊維の含有量によって血糖値の上がり具合は変わりますが、
どちらにしろ炭水化物を多く含む食品は注意が必要です。

血糖値が上がる時間が長くなるほど体内で糖化という現象が起き、
有害物質であるAGEsが増えてしまいます。

AGEsはコラーゲンと結びつくことで血管などの臓器を劣化させ、
様々な健康被害をもたらす元凶なのです。

また、血糖値が上がるほどインスリンが多く必要になる、
すなわちすい臓の負担が増えて最終的には糖尿病になりうるので
育毛どころではなくなってしまいます。

いんげん豆には血糖値を下げる働きがあるとされる
ファセオラミンというポリフェノールを含んではいますが、
だからといって食べ過ぎは絶対によくありません。

いんげん豆は栄養価が高いなどのメリットが多い一方で中毒を起こしやすいなどのデメリット面も強いので育毛食といえるかは微妙なところですが植物性食品という見逃せないポイントもあります

・間違ったダイエット法で起きた食中毒問題

ファセオラミンは白いんげん豆に多く含まれるということで、
ご飯などと一緒に食べることで脂肪の蓄積を抑制し、
ダイエット効果があると一時テレビで話題になりました。
(2006年5月6日(土)放送の「ぴーかんバディ!」by TBS)

白いんげん豆を3分ほど炒ったあとに粉末状にして
ご飯にふりかけて食べるという手法だったのですが、
それを試した人が嘔吐や下痢などの食中毒症状が起きてしまいます。

その原因と考えられるのが豆類全般に含まれる
レクチンというタンパク質の一種であるフィトヘマグルチニンという物質です。

タンパク質は加熱すれば変性するので無害となりますが、
番組で紹介した程度の加熱では不十分過ぎたと考えられます。

水に十分浸したあと柔らかくなるまで沸騰させることが推奨されており、
加熱時間は5~10分ほどが良いと言われています。
(水に浸す明確な時間は不明ですが大事をとって1日とかがいいと思います)

また、中途半端な加熱だとかえって毒性が強くなるという指摘もあり、
もしかしたらそれに当てはまってしまったのかもしれません。
(この事態を受けてTBSは注意喚起をHP上でなされています)

レクチンは他の豆類にも含まれているので、
白いんげんに限らず豆類の生食はNGということになります。

ではレクチンを無害化できれば問題は解決するのかというと、
必ずしもそうではないとも考えられます。

どういうことかというと、基本的に加熱という処理は
多くの栄養素の活性をなくさせる行為となってしまいます。

タンパク質をはじめビタミンも壊れる可能性もあり、
栄養源としてはあまり適さない状態になる懸念もあるのです。

よって加熱しなければ食べれないものは
理に叶っていないのではないかとも考えられるのです。

栄養は口に入れても質が悪かったり吸収されなかったら意味がなく、
体の最後に栄養が届く髪にはとても不利なことになります。

そんなこんなでいくら生命の源ともいえる豆類の一種とはいえ、
いんげん豆は育毛食とするのは少々難があると考えられなくもありません。

メキシコ人は薄毛の男性が少ないのは大豆ではなく、
いんげん豆を主食として唐辛子もよく食べてるからなどと
まことしやかに言われてる部分もありますが、

薄毛および育毛は複数の要素が複雑に絡み合って起こることなので、
一部の要素だけで結論を出すことはできません。

その土地特有
の食生活や環境なども関係してると思われるので
もっともっと研究が必要だと思われます。

もちろんいんげん豆が好きなら全く食べてはいけない、というわけではありません。

正しく料理して食べれば健康的に害はないので
常に節度をもって付き合っていってほしいと思います。

<参考:個々の豆類と育毛の考察>

⇒落花生(ピーナッツ)

⇒ソラマメ

⇒レンズ豆

⇒ささげ

⇒えんどう豆

⇒ひよこ豆

⇒いんげん豆(この記事)

⇒大豆

⇒豆類の考察まとめ

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