落花生(ピーナッツ)は日本では馴染み深い食べ物のひとつで、
料理の材料になることもあれば酒の肴やおやつ、
ピーナッツバターなどの加工品として活用されることもよくあります。
よく食べる方でもそんなに普段は意識しないと思いますが、
落花生は豆類の一種であることから栄養価が高い特長があります。
そのため育毛にも役立つと一定の評価がされています。
そこで落花生の栄養成分から髪の健康との関連を考察していこうと思います。
育毛によいという主張をいろいろ参考にしてみると、
その多くは亜鉛やビタミンB群が豊富という点が目立ちます。
亜鉛はAGA(男性型脱毛症)を引き起こす男性ホルモンの一種である
DHT(ジヒドロテストステロン)の産生抑制に役立つとされる事が有名で、
ビタミンB群はタンパク質の代謝や細胞分裂に関係し、
栄養を有効活用するには不可欠な成分と言われています。
ただ落花生が突出してそれらの成分が多いわけではなく
他の食べ物でも十分摂取できることからその2つの成分が
含まれているということだけで育毛に良い食べ物というには早計です。
それよりも炭水化物が豆類の中では比較的少ない上に
タンパク質や不飽和脂肪酸が多い事のほうが重要だと思います。
豆類はものによっては半分以上が炭水化物で占められており、
食べ過ぎは糖質の過剰摂取に繋がりやすい性質があります。
食物繊維も多いですが大部分が糖質で占められてるものが多いです。
糖質の摂り過ぎは太るだけではなく糖化という反応が生じやすくなり、
髪にも悪影響を与えるであろうAGEsという老化物質が増えてきます。
AGEsを体内で増やさないことが健康維持の基本となりますが、
それは育毛においても同じことが言えます。
落花生は100g中約16gほどと豆類の中では少なめで、
そのうち半分は食物繊維なので糖化リスクは比較的少ないといえます。
そしてタンパク質の含有量は約25%と豆類および植物性食品の中ではかなり多い方です。
健康食品の代名詞となっている大豆はタンパク質が多いことで有名で、
その含有量は30%ほどなので落花生は大豆と匹敵するものとなります。
また、ピーナッツの過食部分を覆う赤茶色の薄皮には、
抗酸化物質であるポリフェノール類が含まれています。
一般的には苦いことから敬遠されがちですが、
食べる際は薄皮も一緒に食べたほうが絶対にいいです。
長寿遺伝子をONにすることで話題になったレスベラトロールのほか、
抗酸化に加え抗炎症作用もあるアラキジン酸、
りんごやぶどうなどに含まれることで知られるプロアントシアニジン、
緑茶に含まれるカテキンも含有しており、
落花生はとても優れた栄養成分が凝縮されています。
活性酸素も細胞に害を与える危険因子であり、
現代社会はそれに晒される機会がとても多いですので
抗酸化物質は薄毛対策的にも重要な意味を成します。
育毛というと亜鉛をはじめ定番の成分が含まれているから
どうのこうのと言われることが多いですが、
全体を見渡すとそれよりも重要なことに気づけるものです。
落花生の食べ方についてですが、
一般的には茹でたり炒るといった調理をしてから食べるのが通常のようです。
本当は生で食べたほうが栄養素が壊されないので良いのですが、
落花生などの豆類やナッツ類は
カビ毒(アフラトキシンなど)のリスクが懸念される面もあります。
毒を食らったからといってすぐに癌になるわけではないですが、
心配ならばあらかじめ調理されたものを食べるといいと思います。
そして先程も少し触れましたが、
ピーナッツの薄皮にはポリフェノール類が含まれてるので、
なるべく薄皮付きかさや付きのものを食べたほうが健康的です。
また、落花生のいいところは日本でも多く生産されていることから
価格が他の豆やナッツと比べて安価なことです。
1kgでも1000円台中盤で買えるものもあるので、いろいろ物色してみるといいでしょう。
<参考:個々の豆類と育毛の考察>
⇒落花生(ピーナッツ)(この記事)