トップテンオブシティが発表した髪に良いとされる食べ物ランキング。
ランクインした食べ物について一つ一つ考察してきましたが、
今回は最後となる全粒穀物と育毛の関係について触れていきます。
最近は健康志向が少し高まってきていることから、
全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)という言葉を耳にすることが
割りと多くなってきたかもしれません。
全粒穀物とは精白処理をしていない穀物の総称で、
米なら玄米、パンなら全粒粉パンのことになります。
近年は味や見た目の追求により精白処理をするのが当たり前になっていますが、
そうすると大事な栄養素の多くを削ぎ落とすことになります。
穀物は果物や野菜と同様に外敵から身を守るため
多くの栄養素を蓄えているもので、
精白処理はすごくもったいないことをしているのです。
そのため最近は玄米をはじめとした未精製の穀物も人気となっています。
精製してもビタミンやミネラルがすべて失われるわけではないですが、
未精製の方が当然のことながら栄養価は高くなります。
ちなみに玄米は体に必要な栄養素のほとんどを含んでいることから
完全栄養食として褒め称えられることがよくあります。
(小麦に関してもそれと近いことがいえそうです。)
ということはB群やEなどのビタミン類、
亜鉛やマグネシウムなどのミネラル類も多いことから
自然な流れで髪(育毛)にもよいと言われてきたのだと思われます。
・あまり意識されない穀物の重大な欠点
あなたも未精製の穀物は栄養価が高いから良さそうと思って
なんとなく玄米や全粒粉パンを始めているかもしれません。
しかし、穀物は血糖値を上げる代表的な食品である、
ということを決して忘れてはなりません。
穀物には他種類の栄養素を含んでいるのは事実ですが、
そのほとんどを占めるのは炭水化物となります。
ものにもよりますが大体7~8割以上は炭水化物が占めます。
そのため食品分類の中では最も血糖値を上げるものとなっており、
GI値も当然のことながらかなり高くなっています。
GI値とはグリセミック・インデックスの略で、
血糖値の上がり具合をブドウ糖と比較した際の指数を意味します。
GI値は人それぞれの体質や状況、そして食品の種類によって
だいぶ左右するため情報はかなりまちまちとなっています。
だからGI値はあくまで目安的なものになりますが、
とりあえず言えることは穀物は精製していようとしてなかろうと
血糖値を急上昇させてしまうことは確かなのです。
特に小麦に含まれるアミロペクチンAは特に血糖値を上げやすく、
下手なお菓子や砂糖よりもGI値が実質高いと言われています。
よって米よりも小麦のほうがまずい可能性が高いのですが、
そのような情報を知っている人はほとんどいません。
日本では最近、米の消費量がパンのそれを上回るという
現象が起きていますが健康的な視点で見ると
どんどん悪い方向に向かっているのだとわかります。
血糖値が上がる=体に糖が多く取り込まれると、
それほどタンパク質と結びつく機会が多くなり
健康・育毛の大敵となる老化物質AGEsができやすくなります。
その物質は血管や血液を老化させ、
コラーゲンの構造も変化させるとても悪どいもので
AGEsをなるべく増やさないことがアンチエイジングに繋がり、
薄毛の予防や育毛にも繋がっていきます。
ということで穀物類は全般的に食べ過ぎることをしないほうがいいです。
もし米が食べたくても未精製のものを積極的に選択するようにし、
1日に多くても1回の摂取にとどめておくようにしたほうがいいでしょう。
菓子パンやスイーツ、ファストフードなど小麦を多く使ってるものは
嗜好品(贅沢品)として捉え、常食しないよう心がけましょう。
ちなみに、ものによっては全粒粉パンとしながら
精白小麦を混ぜているものもあるので注意が必要です。
それは全粒粉麦だけだと膨らみにくいという理由からです。
このようにデメリットも含め深く考察していくと、
なぜ全粒穀物が髪にいい食べ物トップ10にランクインしたのか、
という疑問が湧いてくるはずです。
栄養価が高い=髪にいいという考えはとても短絡的で
危険だということをこの場でしっかり認識してほしいと思います。
(もちろん食べ過ぎなければ優良な食べ物となります)
<Top Ten of Cityが発表した他の髪にいい食品ランキング>
1位 卵(この記事)
2位 ナッツ類
3位 牡蠣(かき)
4位 緑黄色野菜(葉菜類)
5位 鶏肉
6位 豆類
7位 鮭(さけ:サーモン)
8位 乳製品
9位 人参(にんじん)
10位 全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ)(この記事)
<参考>