地味な存在でありながら注目度が今後上がりそうな野菜があります。
それがスプラウトです。
スプラウトとは野菜の新芽のことで主に4種類あります。
ずっと暗室で育てて緑化させないもやし型、
茎が伸びた後に光を当てて緑化させるかいわれ型、
もやし型とかいわれ型の中間型、そして発芽したてのものとに分類されます。
もやし型はその名の通り大豆や緑豆のもやしのほか、
アルファルファやフェヌグリークなどがあります。
かいわれ型は大根、ブロッコリー、豆苗、紫キャベツなどで、
発芽玄米やレンズ豆、ひよこ豆は発芽したてのタイプになります。
スプラウト類は要は野菜の赤ちゃん状態のものですが、
大人の野菜より栄養価に優れているため、
見た目が地味ながら実はすごい特長を有しています。
料理では脇役のような存在ですが酵素を多く含む特長もあることから
健康維持に大きく貢献していたことにもなると思います。
中でも注目されてるのがブロッコリースプラウトで、
2014年7月頃にそのエキスが育毛に良いのではないか、
という研究結果が発表され話題になりました。
研究結果を発表したのは近畿大学の薬学部医療薬学科公衆衛生学研究室。
(同大学はマグロの養殖でも話題になったところなので
また違った意味でも注目される形となりました。)
その研究によると、毛乳頭細胞が約1.8倍、
BMP4が1.4倍増殖したことを確認したという。
毛乳頭細胞とは髪の毛の司令塔と呼ばれる組織です。
毛細血管から送られてくる栄養を最初に受け取る組織で、
IGF-1やFGFなどの髪の成長を促すタンパク質を作り出します。
薄毛の人は毛乳頭細胞自体が少ない傾向にあると言われており、
それを増やすことが育毛の一因になるとされます。
次にBMP4というのは骨形成タンパク4という物質の略称で、
他の成長因子と同様に毛乳頭細胞から分泌されることがわかっています。
つまりブロッコリースプラウトによって育毛が促されるのではないか、
という仮説を立証する証拠の一端が得られたということかもしれません。
今後どのような成分が毛乳頭細胞などの組織に働きかけるのか
研究を進めていくそうですが、少し気になる点があります。
現代科学は特定の成分を特定し、それを抽出して商品化する
という流れが王道ですが本来なら他の多くの栄養成分と一緒に
摂取した方が体のためになるものです。
抽出する過程で栄養素が劣化する恐れもあり、
仮に完全な形で取り出せたとしても髪は単独の成分で
支えられているものではないのでどうせ使うのならば
エキスをそのまま使ったほうがいいような気がします。
個々の成分を研究すること自体は間違いではないですが、
人間に活用する際はその点を考慮してほしいところです。
ちなみに海外(アメリカ)ではブロッコリースプラウトにはがん予防が期待される
スルフォラファンという成分が多く含まれていることが注目され、
近年日本でも一部の店舗で見かけるようになってきました。
スルフォラファンはアブラナ科の植物に含まれている成分ですが、
新芽の状態だと特に含有量が高いことが明らかになっています。
髪以外にもいろいろな効果が期待できると思われます。
もちろん他のスプラウト類も栄養価が高いことは共通してるので、
必ずブロッコリーの新芽を食べなければならないわけではなく、
いろいろなものを食べることが重要なのも同じです。
栄養価に差はあると思いますがもやしだってスプラウトですし、
かいわれ大根や豆苗などもそうです。
ブロッコリースプラウトを多く食べれば育毛になるとも限らないですし、
少々値段が高めという欠点もあるのでそういう時は他の野菜を食べるなど
臨機応変に対処してほしいと思います。
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